CCR/コスモズ・ファクトリー

レコードの時代、『ゴールド』と『モア・ゴールド』という2枚のベスト盤が彼ら、クリーデンス・クリアウォーター・リバイバルにはあった。CDの時代になると、『クロニクル』、『クロニクル2』とやはり2枚のベスト盤が登場した。それだけあれば、このバンドを振り返るのにとりあえずは事足りるということなのだろう。

しかし、「ランブル・タンブル」がどこにも入っていないのはなぜだ。疾駆する重機関を思わせる7分11秒の名演がなぜ2枚もあるベストの選から漏れるのだ。そんな思いが、改めてぼくにこの作品を購入させた。「トラベリン・バンド」「ルッキン・アウト・マイ・バック・ドア」「ジャングルを越えて」「アップ・アラウンド・ザ・ベンド」「フール・ストップ・ザ・レイン」「悲しいうわさ」「光りある限り」、これだけのベスト入りの曲を擁するCCRのこの5作め、オリジナル・アルバムとしてはおそらく1番の出来といっていいだろう。

かくしてレコードの時代もCDの時代も、2枚のベストと本作とで、遅れてきたファンであるぼくは彼らを偲んでいるというわけだ。なにしろ彼ら、68年にデビューして72年にはあっさり解散してしまっているのだ。ぼくはまだ生まれてもいなかっ……嘘はやめような。

2003.03