シカゴ/栄光のシカゴ
シカゴ/栄光のシカゴ

それまでに出ていた3作はいずれも2枚組3600円というありさまで、貧乏な中学生にはシングル盤以外はちょっと手が出ない存在だったのだ、シカゴというバンドは。

だから、12曲入り2100円のこのベスト盤が、来日を記念して日本でだけ発売が許されたのは実にありがたいことだった。ちなみに、これを挟んでリリースされた彼らの次作は、4枚組7800円という、またもや中学生泣かせの代物だった。ひどいじゃないか、シカゴ。

息の長いバンドとして広い世代に受け入れられている彼らだが、ぼくにとってのシカゴが、正規のアルバムではないこの『栄光のシカゴ』とほとんどイコールなのは、上記のような理由による。

そして、そんななかでもとりわけスリリングなのは「イントロダクション」、「アイム・ア・マン」「流血の日」といった1作めに収録されていた楽曲群で、後にCDに買い換えてまでぼくが所有している彼らの作品はそのデビュー作『シカゴの軌跡』だけなのだった。

2003.07