グランド・ファンク・レイルロード/ライヴ・アルバム

中学時代に夢中になっていたくせに、高校生にもなるとぼくらは言ったものだった。
格好いいのはツェッペリン、格好悪いのはグランド・ファンク。

確かにゼップにある技術や気高さは、彼らグランド・ファンクにはない。それがぼくらをしてグランド・ファンクを、実は彼らが好きだった自分自身を蔑ませた一因でもあった。だが今にして思えば、ここに横溢するのはまぎれもなくロックする意思、気骨である。単純であり稚拙でさえあることで、よりわかりやすくストレートにそれらは伝わったのだ。そうしたものが70年という時代とうまく切り結ばれたとき、「ハートブレイカー」や「孤独の叫び」といった快演が生まれたのだろう。

名曲だとも名演だともぼくは言わない。ロックが幸せだった70年代の熱気がパックされたこれらは、まさに快演と呼ぶのがふさわしい。気持ちいいのだ、ぐいぐい煽ってくるリズム隊にのっかった明快なギターが。快感なのだ、お約束のように単純素朴な楽曲が。

そして、ぼくは改めて思うのだ。やっぱりロック・バンドはトリオ編成が格好いいと。

2003.12