GO!GO!7188/蛇足歩行

こんなにも素敵なバンドを、少年少女は自分たちだけのものにすべきではない。親にも聴かせるべきなのだ。親たちはきっと子供以上のファンになってしまうだろう。

少年少女の親たちは、おそらくサーフ・ロックやGSの洗礼を受けた世代であるはずだ。だとしたら、「彼女と私」のズンドコビートや、「太陽」において絶妙の間で使われるトレモロ・アームや、「ジェットにんぢん」でのトレモロ・グッリサンド奏法に、思わずニヤリとするはずだ。それらが快感であるはずだ。腕を振って踊りだしたくなるはずだ。背筋がゾクッとくるはずだ。

しかし、そうした過去に一世を風靡した音楽をなぞるだけにとどまらない魅力がGO!GO!7188にはある。ズバリなタイトルを持つ「ロック」や「パンク」を聴けばそれは歴然で、それらは様式を示す名称などでは断じてなく、まさに衝動そのものを指すのだと再確認させられる。この衝動こそが彼女らを突き動かし、その音楽を本物たらしめているのである。

ただ、若い世代に人気の「こいのうた」は、当然のことながらぼくなどにはちょっと青い。

2002.11