ショッキング・ブルー/スコーピオズ・ダンス

日本では『グッド・サリー』のタイトルでリリースされたショッキング・ブルー、70年のセカンド・アルバム。

あまりにも大きな「ヴィーナス」の存在ゆえに一発屋のように見られたり、「悲しき鉄道員」などのシングル・ヒット・メーカーでしかないようように思われがちな彼らだが、ここでの骨太な音と作りはそんな印象を一変させる。音の抜けが他の作品とまったく異なっているのはアメリカ録音のなせる業か。

新たな女性ヴォーカリストを得て勢いだけで作ってしまったような前作とは異なり、「蒼い小惑星」やヒットした「グッド・サリー」にみられるラフな醍醐味は、ポップ・グループのものではなくロック・バンドのそれだし、「悪魔の愛人」や「ブードゥー・ミュージックがお好き」での翳りあるヴォーカルも味わい深い。また、「アラスカ・カントリー」やタイトル曲にしてインストゥルメンタルの「さそり座の踊り」にみられる哀愁のそこはかとなさも得がたいものだ。

そんなショッキング・ブルーとしては異色の作品が、実はぼくが初めて買ったLPレコードだったりする。高得点はそれゆえか。なお、右は国内盤ジャケット。メンバーのサインらしきものは幼く無自覚な中学生の落書き。気にするな(笑)。

2005.02