ザ・タイガース/ゴールデン・ベスト
ぼくが初めて買ってもらったレコードはスパイダースの「夕陽が泣いている」、テンプターズの「忘れ得ぬ君」、そしてタイガースの「僕のマリー」の3枚だった。3枚同時というのが解せないが、ぼくにかこつけて実は母親が聴きたかったのかもしれない。事情はどうあれ、ぼくにとってそれが初めてのシングル盤だったことにちがいはない。
一方、最後に買ったシングル盤はというと、これも同時に買ったタイガースの「十年ロマンス」と「色つきの女でいてくれよ」の2枚だったような気がしなくもない。もしかするとこの後に大竹しのぶの「かまって音頭」を買っているかもしれないが、シングル人生の最初と最後をタイガースが飾っているという方が聞こえもいいし、話としても上出来だと思われるので、今後そういうことにしておきたい。
というわけで、この『ゴールデン・ベスト』は、そんなタイガースのデビューから再結成時までに出されたシングル盤のA面ばかり収録された全20曲のおいしい1枚。それら往年のジャケットを配したデザインはCDサイズでは苦しいとはいえ、再結成時の曲も含まれているところがミソで、それがなければぼくなどは記憶のなかでだけ鳴っていれば十分。まぁ、それぐらい「十年ロマンス」には思い入れがあるわけで。わはは。
それにしても、往年のベーシスト岸部おさみ、現・岸部一徳、いい役者になりましたなぁ。おいちゃんはうれしいです。
2005.09 |