上妻宏光/BEAMS AGATSUMA U
なんだこのタイトルはと、正直にまず言おう。
オープニングを飾るタイトル曲の、効かせたつもりのビートもうるさく邪魔なだけ。
というようなミスマッチ感覚が前編に漂うソロ第2作。
そんなミスマッチぶりが逆に生きていると思われるのが、生ピアノだけをバックにした「Solitude」。本来、他の楽器が奏でるはずのフレーズを三味線でなぞってもしょうがないとため息をついていたら、これが早計。2分40秒経過後、音が転がり始めるあたり、これだ、これが三味線だ。そして、振り落とされまいとついてくるかのようなピアノ。そうだ、これが掛け合いだ。
続く「Accustom」は、合間にイェ〜イと女声が入れば、そのままマクドナルドのCM曲ではないか。時代はようやく津軽三味線をハンバーガーのCMに用いるところまで追いついてきたとみえる。
三味線とどちらがメインなのかわからないぐらいにアフリカン・パーカッションが聴かせる「On
Bourbon St.」も鳥肌ものだし、なんだ、いきなり苦言を呈しはしたが、けっこう気に入っているんじゃないか。
2002.09 |