BUACHOMPOO/RAIN

ブアチョンプーのセカンド・アルバムを、ぼくはかつて「台湾清純派を彷彿とさせる」と評したが、後になって聴いたこのファースト・アルバムでもそれはやはり変わらない。

というか、それもそのはず、タイトル曲でもある「RAIN」は台湾のアイドル歌手、范曉萱(メイヴィス・ファン)のデビュー曲のカバーなのだそうだ。いわれてみると、他にもいかにもな曲が並んでいる。となれば、「彷彿とさせる」どころではなく、明らかにそれをめざしているともいえる。

そんな作りが、そっくりそのままセカンドにも引き継がれているのだが、その可憐さ、清廉さ、上品さはファーストの時点ですでに完成の域にある。この歌声の持ち主に、この選曲でこのアレンジというのは王道だ。それがまた見事なまでのハマり具合という1作。

ただし、可憐なだけ、清廉なだけ、上品なだけという気もしなくもないが、ジャケに見られるこの容姿に、他になにを求めろと?

2003.06