JuJu Club/Pop Gear
デビュー作とセカンド、そしてクリスマス企画のミニ・アルバムから日本独自に抜粋された韓国ジュジュ・クラブのベスト・アルバム。
96年のデビュー・アルバム『16/20』を所有しないぼくには、それを窺い知るために格好の編集アルバムということになるが、わずか2枚のフル・アルバムしか出ていない時点での本作の登場は、韓国における彼らの快進撃ぶりを伝えるものといえるだろう。
実際、タイトル曲「16/20(ジュウロク・ハタチ)」は韓国はもちろん香港などでも大ヒットしたらしい。確かに凄い曲である。なにが凄いかというと、女性ヴォーカリストの声である。好き嫌いの分かれるところではあろうが、これほどインパクトのある声は他にちょっと思いつかない。しいていえば平山みきだが、それをさらにエキセントリックにはじけさせた感じ。アヒル声との形容もよく見かける。がぁがぁと裏返るあたりは言い得て妙だ。
そんな声が、ときにオルタナ、ときにネオアコなロック・サウンドに縦横無尽にのりまくっているのが本作だ。バックを務めるスンヒョンとスンファンのチュ兄弟はフュージョン・バンド出身らしく、なによりもスタジオ・ワークが好きそうな凝った音作りとひねった曲作りを、ここでは存分に楽しむことができる。
ちなみに、ヴォーカルのチュ・ダインだけは芸名で、ジュジュ・クラブ=チュ兄妹というわけではないらしい。
2005.09 |