キム・ヒョンジョン/Diet

先に聴いた第6集が大いに気に入ってしまったキム・ヒョンジョン、遡って2002年作の第5集を入手してみたところ、これがまた全編ノリのいい快作。

オープニング、キャッチーなイントロとそれに続く「アッアー」の一声に早くも期待は高まるが、繰り出されるラップの小気味よさはそれをまったく裏切らない。ラップは意味より語感に重きを置くぼくにとって、韓国語のそれは最も気持ちのよいインパクトを持って迫ってくるのだった。

そんな疾走感を引き継ぎながらも、ドラマチックでスローな曲が絶妙の間合いで挿入される作りが、定石通りとはいえピタリとハマって憎い。どこかで聴いたことがあるようなメロディーが一瞬顔を覗かせるあたりは、首をひねるより親しみや安心感をもたらすものとなっており、往年の日本の歌謡曲に近いものをぼくなどは感じる。

そうして一気に13曲を聴かせた後、ラストに鎮座するは17分にも及ぶノンストップ・メドレー。ここまでの収録曲のリミックス・ヴァージョンだが、これが実はタイトル曲となっている。破格のオマケといえるかもしれない。

2004.06