NUBIAN MUSIC/EL MAMBOO
エジプトとスーダンの国境あたり、南ヌビアの若手ミュージシャンたちが集まって、陽気にマンボしてみたら非常に音頭に近しい音楽になっていたという、日本人には特に楽しいオムニバス作品。ぼくにとっての98年度の一番のお気に入りがこれだったりするのだ、実は。
男性ヴォーカルは絵に描いたようなイナセぶり、ホーンはあくまでも怪しくいかがわしく、お約束のようにチープな音色のキーボード。絡みどころを心得た女性コーラスにものせられて、聴く者の腰は自然とくねくねと動き出す。そんな楽しさ満載で、お祭り広場だとか櫓の上だとかで演られたらたまらなそうなダンス・ミュージック。
ところどころサンタナだったり、トム・トム・クラブだったりするが、もしかするとそれは逆で、彼らが世界に紹介してきたことのルーツがここヌビアにあったということなのかもしれない。はっきりしている唯一のことは、こんなにも違和感なく楽しめるかの地の音楽について、ぼくらはあまりにも無知だということだ。
2004.10 |