NICOLE THERIAULT/Nicole Phan Du

タイのトップ・スター、ニコル・テリオの、2001年にリリースされた3作め。
であるがしかし、これは本当にただの3作めなのか、ベストのまちがいではないのかと問いたくなってしまうほどの佳曲揃い。タイ的なものを期待しても裏切られるし、アジア臭さえ皆無に等しいが、バラエティに富んだ選曲ともあいまって、まさにポップスの王道を行く作品に仕上がっているのだった。

サーフ・ギターが意表を突く1曲め、歯切れの良い生ギターのカッティングに乗せて丁寧に歌われる6曲め、そして胸キュンなサビを持つ9曲めが、彼女が主演するドラマで使われたことなどもあってヒットしたらしい。

それだけでもヒット・アルバムとして十分通用するところにもってきて、ぼくはさらに、唯一オリエンタルなムードをたたえる3曲め、ノリよくギターの歪み具合も心憎い4曲め、アコーディオンの音色が温かくも切ない5曲めに加え、楽しくラテンな8曲めも大いに気に入った次第。

どう、この布陣。下手なベスト・アルバムより絢爛豪華。
と、送り手だけでなく聴き手までが胸を張りたくなってしまうような1枚。

なお、ここで挙げた全曲と、彼女の他の作品はここで試聴することができる。

2003.11