徐小鳳/PAULA

香港の美空ひばりという形容をよく目にした。なるほど、そうとしか言いようがない声と貫禄であるなと感心したものだった。

元はクラブ歌手だったらしい。それが納得される声と節回しである。これだけの声を持って歌手をめざさずにいることは冒涜にちがいない。でなければ、とんでもない音痴か。

全11曲中5曲が日本曲のカバーだが、86年のこの当時、香港では作曲家不足が叫ばれ、日本に限らずカバー曲が全盛だった。ここでは五輪真弓、南こうせつ、谷村新司といったあたりが取り上げられているが、個人的にはひときわ香港テイストを感じさせる山口未央子のオリジナルを聴いてみたい。

2002.01