SCARLET RIVERA/Scarlet Fever
年代からも「Fever」の語からもなんとなく想像はつくのだが、オープニングのタイトル曲がディスコ調なのにはやはり意表を突かれるというものだ。そんな事実やジャケットからも象徴されるように、ポップさや歌ものの比重が増した、スカーレット・リヴェラ、78年のセカンド・アルバム。
特筆すべきは、歌ものにおける歌手の存在意義の大きさで、ソウルフルな男性ヴォーカリストを起用した「Lift
Away」などはスカーレット名義でなくとも通用しそうな出来栄えなのだ。演奏の聴かせどころもヴァイオリンだけにとどまらず、サックスのソロへと手堅くバトンタッチされていくあたり、なかなかの白熱、充実ぶり。しかもこの曲、借り物でもなんでもなく、スカーレットのオリジナルというではないか。まったく新たな一面を垣間見せられた思いである。
もうひとりの端正な男声による「Lure Of The Sea Nymph」も聴き応え十分で、いくつかあるスカーレット作品のなかでも、最も多くの回数聴いた1枚。昨年、ようやくのCD化は実に喜ばしいことだった。
2005.02 |