上々颱風/上々颱風
レコード会社10数社が派手な争奪戦をくりひろげたといわれ、鳴物入りでデビューした上々颱風、90年のファースト・アルバム。
バンジョーに三味線の糸を張った通称バンジョミセン(後に三線と称す)の音色、それぞれコブシとキバリで迫る対照的なふたりのヴォーカリスト、大味ながら破綻せず醍醐味のある楽曲と、いわゆる「売り」の多い作りとなっている。
以後の作品を聴くほどに、ここでの三線の録られ方が異様に大きいことに気づくが、そこがぼくには一番の魅力である。「上々颱風のテーマ」や「しぶ茶でCHA CHA
CHA」などにおけるその演奏は、まさに背筋ゾクゾクものだった。
とはいえ、「踊りゃんせ」の掛け合いや、「春風は河を渡る」の美しさも忘れるべきではないだろう。
2002.03 |